センチメンタル・バリュー/映画公開前ネタバレ
[事前情報] ノルウェーのドラマ映画らしい、公開:2026年2月20日
北欧ノルウェーが舞台ということで、空はどんより、終始寒そう。気のせいか登場人物同士ハグするシーンが多い。
ストーリーはややベタで、家庭を捨てた父親(ステラン・スカルスガルド)と二人の娘とが、母の死をきっかけに再会する。
最初は当然のようにいがみ合っているが、最終的には和解するというもの。
舞台女優の姉ノーラ(レナーテ・レインスヴェ)が主人公なのだが、どうも精神的に不安定なことがあるらしい。
冒頭で、舞台出演直前だというのに出たくないとわがままを言い出す場面がある。
幻想交響曲(シャイニングに使われたパート)の音楽もあって不気味さが増し、かなりハラハラする。
しかし、ひとたび舞台に立てば、とんでもない才能を発揮するのだ。
実際の舞台のシーンは非常に短いものが数回あるだけなのだが、その一瞬の演技だけで只者ではないことが分かる。
一方の父親グスタヴは有名な映画監督なのだが、長いこと新作を撮っていないらしい。
序盤に登場する彼の過去作品は、長回しのラストシーンのみだが、感動の名作であることが伺える。
そんなグスタヴが、ノーラを主役にして新作を撮ろうとするが、当然のようにノーラは出演を断る。
ところで代役を頼まれるのがエル・ファニング。彼女が出ている場面だけ、出演者は全員英語になる。
エル・ファニングは子役のころから美少女過ぎて、どの映画でも常に画面から浮いているというイメージを持っていた。余りにも凡人離れしたルックスであるため、異質の存在という感じなのだ。
それこそ人間とプレデターぐらい違う。
だから紅一点の存在とか、オーロラ姫とか、そういう役しかできないのではないかと勝手に思っていた。
この映画では、一応売れっ子モデル兼女優という、ある意味孤高の存在なので問題ないと思ったのだが・・・
なんと後半、自ら役を降りることを監督に進言し、その理由として彼女自身が映画から浮いていることを指摘するのだ。
この妙な符合は面白かった。絶妙なキャスティングとしか言いようがない。
ラスト近くの姉妹のシーンは見どころ。
『同じ環境で育ったのに私だけ失敗作』という意味のことを姉が言うクライマックス。
それに対し、妹の『決定的な違いは、私には姉さんがいたこと』と告げるシーン。
正直この場面には、感動させられた。
ヨアキ・トリアー監督の映画は、初めて鑑賞した。
カンヌのグランプリ作品であり、アカデミー賞では国際長編映画賞だけではなく作品賞もノミネートしているようだ。
確かに賞レースで受けそうな映画である。
[上映時間:2時間13分]
本編鑑賞後にYoutubeで公式予告編を見てみた。







