ハムネット/映画公開前ネタバレ

[事前情報] クロエ・ジャオ監督、シェイクスピアのハムレットと何やら関係があるらしい

クロエ・ジャオは、ノマドランドエターナルズを視聴済みだが、今一つ波長が合わない印象。
それもあり、この映画は前評判が高いようだが、全く期待しないで見た。そのお蔭でまあまあ楽しめた。
そして事前情報無しで見て、本当に正解だと思えた映画だった。(もちろんハムレットの筋は知っていたが、問題なし)

まず誰もが気になるであろう、ハムレットハムネットはどう違うのか。その疑問には冒頭のテキストで答えてくれる。元々は違いは無かったらしい。

16世紀のイングランドの田舎町(ストラトフォード)を舞台にした、森ガールで鷹匠のアグネス(ジェシー・バックリー)と、阿部寛似のラテン語教師(ポール・メスカル)との恋物語で始まる。
音楽はあるが、とても静かな映画である。
出会って即キス、妊娠、結婚、森の中での出産と、とにかく序盤のテンポは速い。
アグネスには協力的な兄がいるが、夫のほうは仕事がうまくいかず、特に父親と対立する。

そうこうするうちに、さらに双子が生まれる。
子どもたちの名前は、先に生まれた長女がスザンナ、そして双子が兄のハムネットと妹のジュディスである。
双子は見分けがつかないほどそっくりということだが、正直男女ということもあり、簡単に見分けがつく、というか全然似ていない。
慎ましいが幸せな生活を営む一家であったが、父親は職を求めてロンドンへ幾度も向かう。

その間に末娘のジュディスが高熱を出して病に倒れる。
ここで双子の兄ハムネットが死神を見る描写がある。そして妹を助けるため、その死神をだまして身代わりとなり、ハムネットは死んでしまう。
いや待て、まだ分からんぞ。ジュディスも生まれた時息をしていなかったのに蘇生したではないか!
ハムネットの魂も、なにやら見知らぬ建物の中でウロウロしている描写があるし、生き返るのではないか?
つーか、この時代に医者はいないのか。それとも貧乏過ぎて医者を呼べないのか?

だが結局ハムネットは死んでしまう。そういえば、と冒頭のテキストを思い出す。これはハムネットの死と、ハムレットの誕生の物語だった。

険悪になる夫婦仲だが、夫はロンドンに足しげく通う。どうやら劇作家の仕事をしているらしい。
と、ここで夫のフルネーム明かされる。これぞ事前情報無しで見て良かったと思えた一瞬だった。
夫の名前はウィリアム・シェイクスピア、そして今回ハムレットという悲劇を書いたらしい。
その舞台を見るために、アグネスとその兄がロンドンを訪れる。大勢の観客とともに屋外劇場に入っていくシーンは、ちょっとした鳥肌物。
こじんまりとした舞台だが、観客との距離が近すぎるため、臨場感は抜群。アグネスはちゃっかり最前列にいる。

しかしアグネス、お前芝居を見るのは初めてか。
亡霊役で登場する夫、そして亡き息子の名前を聞いて錯乱状態になる。取り乱し過ぎだ。
だが、ハムレットの役者はあまりうまいとは思えないのだが、その鬼気迫る演技にアグネスはいつしかのめり込んでいく。
そして決闘のシーンから、父の仇を討ち、毒によって死んでしまうラスト。息をのむ展開に、舞台上の役者と観客が一体となる。そしてアグネスは、去っていく亡き息子ハムネットの幻影を見るのであった。

ううむ。個人的には良くも悪くもない映画だったが、いかにも賞レースで評価されそうである。
余談だが、調べてみるとシェイクスピアの3人の子供たちの名前は史実通りだった。ハムネットは11歳で夭逝している。
そして、アグネスことシェイクスピアの妻は、実際はアン・ハサウェイというらしい。どっかで聞いた名前だな。

公開:2026年4月10日
[上映時間:2時間6分]

本編鑑賞後にYoutubeで公式予告編を見てみた。

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