雨穴/変な地図
この作家の最初の作品、変な家を読んだとき、正直な感想は詰まんね、だった。
単なる出オチだけ、無理やりオドロオドロしい怖い解釈に話を繋げようとする登場人物、そしてその推測がほぼ真相そのままという解決編という、別の意味で驚嘆する小説(小説というか、モキュメンタリー)だった。
異常なほどに挿絵が多いのも特徴。といってもラノベのような絵ではなく、図面、資料画像、捜査メモのようなものばかりで、お節介なほど読者の理解を助けてくれる。
もう次はいいかなと思ったはずだったのだが、いつの間にか、変な絵、変な家2そしてこの変な地図と、変なシリーズ4作全て読んでしまったのだから、見事に罠に嵌められてしまったという感覚である。
多分、最初の変な家が話題になった反面、批判も多かったのだろう。続く作品では、様々な工夫が見られる。
例えば1作目の単純さを修正するため、変な家2は少々やり過ぎと思えるほど複雑化していた。そういう意味で変な絵は、まずまずのバランスで面白かった記憶がある。
そしてこの4作目。相変わらずの強引な推理展開、異常なほど多い挿絵、そして奇跡的な真相究明などがあるものの、それはもはやこの作家の特色なので、諦めるよりない。しかしそこを除けば、かなりミステリとしても面白くできていると感じた。
特に、三角点に細工をして落盤事故を起こさせるというトリックには、唸らされるものがあった。
これまで恐ろしい話ばかりだった本シリーズも、この作品では最初だけ怖い謎が提示されるのだが、最終的には非常に爽やかな解決を見る。悲劇的なエピソードが連発する割には、心温まる話で感動的ですらある。
こんなテイストも悪くない。今後は変なシリーズを離れて、新たな作品を書いてみて良いのではないだろうか。
ところで、この最初に出てくる地図、ずっと人の顔の下半分に見えて仕方なかった。それを踏まえた恐ろしいオチが控えていると身構えていたが何も無く、あっさり肩透かしを食らった気分。








