深水黎一郎/ミステリー・アリーナ(映画公開予定)
このミステリーの実写映画が近日公開されるらしいが、大丈夫だろうか。正直不安しかない。
もちろん原作小説は、面白い。というか手間がかかっている。
ごくありふれたクローズドサークルでの連続殺人事件の問題編と、その問題編のテキストを聴いて、あるいは読んでミステリーマニアたちが回答するクイズ番組ミステリー・アリーナの回答編、その二重構成で物語が進んでいく。
問題文にはチェックポイントが複数設けられており、その時点でボタンを押した回答者が、自ら推理した犯人とトリックを披露する。
原作では回答者の人数は14人。次々と回答されるミステリーマニアの推理は、いかにも読者が喜びそうなマニアックな叙述トリックにあふれており、かつ十二分に筋が通っている。
ただ原作での回答者は、問題編を聴く、又は読むだけである。
しかし映画ではそうはいかないだろう。多分再現VTRのようなものを使うに違いない。
ところが、映像を使ってしまうと、見えてしまうことにより多くの叙述トリックが成立しなくなってしまう。
ここはどう表現するのだろうか。
ちなみに映画では、回答者は14人ではなく、6人に絞られるらしい。
中にはバカミスっぽい回答もあるので絞るのはかまわないが、正直つまらないトリックばかりに終始しそうな気もする。
多分、ミステリーアリーナの司会者である樺山桃太郎の特異なキャラを前面に押し出して、デフォルメしまくった造形で推し通すような気がする。演じるのは唐沢寿明。
が、女性アシスタント役は誰がやるのだろうか。一応は重要な役柄なのだが。
下手したら、この女性キャラを出さない可能性すらある。
この司会者と女性アシスタントのやり取りが非常に面白いのだが。
最初のNHK紅白ディスとか、是非やってほしいのだが、映画だと大幅に削られるかもしれない。
もう一つ気になるのは、正解者は多額の賞金(原作は20億円、映画だと100億円)を得られるが、当然のように不正解者にはリスクがある。
原作小説では、途中で、というかかなり後半になってからそのリスクが判明するのだが、映画だと最初からそのネタバレを入れるかもしれない。
そうなると原作のコメディ風味は失われ、完全にシリアスなサスペンス物になる。
なお最後にはミステリーではなく完全にアクション物になり変わる。そのあたりはむしろ映画向けと言えるだろう。

2026年5月22日映画公開予定





