小川哲/君のクイズ(映画公開予定)
映画化されるらしいので、今のうちに書いておこう。
昨年読んだ本の一つ。
いきなり結論から書くと、まあまあだった。
最初のほうは面白い。
あるクイズ大会を通して、クイズの蘊蓄が続くのだが、これは漫画ナナマルサンバツを読んでいた人は誰もが知っていることなので、大きな驚きはない。
しかし一文字も問題が読まれていないのに回答するというシチュエーションは、流石に漫画にも無かったと思う。
いや、幽遊白書にあったか。
主人公は敗者側であるのだが、運営を含めたヤラセではいかと非難するのではなく、純粋な謎解きとして合理的に論理を積み重ねていく。このくだりは非常に面白い。
そして、なるほど問題が一文字も読まれなくても、答えることが可能であるとの結論に達するのだが・・・
ラスト付近の勝者側の豹変ぶりは、あまりにも陳腐そして馬鹿げた方向に行き過ぎで好みではなかった。
もう少し勝者の描写、例えば回答したときに不敵な笑みを浮かべて敗者を挑発するとか、そういうのがあれば分かりやすかったのだが。
多分映画においては、そのあたりを十分に解消できそうな気がする。見ないけど。
ところでこの小説には、ママ.クリーニング小野寺よというパワーワードが登場する。
山形県にあるローカルクリーニングチェーンの名称なのだが、クイズ大会の最終問題の答えがこれなのだ。
その言葉のインパクトといい、読了後に多くの読者が検索してみたのではなかろうか。
僕は読了まで待てず、読書途中で検索してみた一人。そしてその名前のお店が実在することに衝撃を受けた一人だ。
映画の出来いかんによっては、聖地巡礼として地元のお店にファンが殺到したり、流行語大賞の有力候補にもなる可能性すらあると思う。
小説としての読後感は今一つだったが、間違いなく映画向きの題材であることは間違いない。
同じような感想を持ったという意味では、呉勝浩の爆弾に相通じるものがある。

2026年映画公開予定





